花束とメロディを君に。
いつも寝る前には、スマホでヴァイオリンの音を聴く。
やっぱり私はこの音が好きだ。
同じ楽器だったとしても人によって音は変化する。
その時の気持ちによっても。
花理はもう1度今日聴いた蓮の演奏を思い出した。
なんだか、深い音の先は寂しそうに聴こえる。
『天音が言ってた。』
蓮くん、天音のこと呼び捨てで呼んでるんだ。
やっぱり同じ部活だと心開けるんだな。
もしかして、、
蓮くんは天音のこと、、?
でも、天音はきっと有馬くんのことが好きだ。
あの音はもしかして叶わない恋をのせていたのかもしれない。
完全に憶測ばかりだけど、これが本当ならなんだか繋がった気がする。
コン コン コン
「俺だ。」
「蓮くん?」
急いでドアを開けると、スマホを持った蓮くんが立っていた。
「どうしたの?」
「恭介のやつが、お前の連絡先欲しいって。」
「わかった。」
「だから、俺にも教えて。
それで、恭介に伝えとくから。」
といって、スマホのアプリの中に立花蓮の名前が。
そして、蓮くんが何か自分のスマホをいじると、すぐに白土恭介の文字が。
有名人たちの連絡先が一気に、、、
これが他の女子生徒たちに見られたらターゲットにされそうだ。