花束とメロディを君に。
♪学園の王子様♪
「あら、帰ってきたかしら。おかえり〜」
真琴さんがドアの方へ向かう。
戻ってきた時、私は口を閉じることができなかった。
「ほら、挨拶。」
と真琴さんに背中を叩かれているのは、月城高校に通う人ならどの学年の生徒でもわかると答えるだろう。
そこに居たのは、立花蓮(たちばなれん)
入学式の首席入学者が行う生徒代表の言葉
壇上に彼が上がった時、ざわめきが広がった。
綺麗な黒髪に白い肌。美しく整った顔。
すらっとした体型に落ち着いた動き。
女子生徒は一度に恋に落ちただろう。
数日後からは誰が立花くんに告ったという噂があっという間に広まったものだ。
そして、秀才にプラスで運動神経も良い。
体育の時は女子生徒視線を集めている。
なのに、部活は管弦楽部に入っている。
それもまた、王子ポイント。
本当になんでもできてきしまう男だが、そんな人が今目の前にいる。
そして今日から同じ屋根の下で暮らします。
え。
「立花蓮。」
とだけ行って、階段を登って上の部屋へ行ってしまった。
「女嫌いなわけではないんだけどね、、」
「いえ。全然大丈夫です。あ、お片付けしますね!」
「ごめんね。ありがと〜」
まさか、これから同じ家で過ごすなんて