運命の恋を、君と…
再会
「━━━━こんな言い方、不謹慎だけど……
やっと“自分自身のことに”目を向けることが出来るね!」


蓮花は、闘病中の母親と二人暮らしの32歳。
母親の介護をしながら、働いていた。

毎日家と会社の往復で、ほとんど遊ぶこともせず生きてきた。

でも、不幸だなんて思わない。

母親は病弱な身体で、大学までだしてくれた。

だから今度は、私が支える!

大学卒業してから10年間。
母親の介護と仕事を必死になって頑張ってきたのだ。

その母親が、先々月亡くなった。

今、四十九日が終わったところだ。


母親の姉であり、この10年色々相談に乗ってくれていた政子(まさこ)が、蓮花に声をかけてきた。
蓮花の身内はもう、政子のみになってしまった。

「はい。
伯母さんにも、沢山ご迷惑とご心配かけました。
ありがとうございました」
ペコッと頭を下げると、ゆっくり頭を撫でてくれた。



自宅アパートに帰り、ボーッとする。

ずっと二人だったためか、一人でここにいるのはとても寂しく、なかなか慣れない。

「いっそのこと、引っ越そうかな?
ある意味、心機一転に……」

実は母親が、蓮花のためにとずっと貯めていた貯金があるのだ。
政子が預かっていたらしく、それを手渡されていた。

蓮花が今まで見たことがない額が、表示されていたのだ。

もう少し、会社に近いところに引っ越そう。

そう思うと、なんだが少し楽になった。


何度も不動産に通い沢山の物件の内覧を重ねるが、なかなか決まらない。

「なんか、疲れてきた……」

それなら、趣味でも見つけようか。

でも、ずっと母親のことだけを考えてきた蓮花。
今更遊び方や、趣味の見つけ方がわからない。


そんな時だった━━━━━━

「飲み会?」

大学生の頃からの友人・須野原(すのはら) 御子(みこ)がそんな蓮花に提案してくれた。

「そう!
だって、恋愛もご無沙汰でしょ?」

「ま、まぁ…」

「蓮花、いい女なんだからさ!
もったいないのよ!
ほんと、憎いくらいに羨ましいわ!(笑)」

「………」

「まぁ、しかたのないことだけどね!
…………とにかく!
彼に、イケメンを紹介してもらうから!」

御子が、にっこり微笑んだ。
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