運命の恋を、君と…
荷物がかなり少ないことに加え、一心と御子も手伝いに来てくれたのであっという間に片付いた。

「でも、まさかもう付き合ってるなんてな!(笑)」
「そうよね!」
一心と御子が、クスクス笑っている。

「しかも、同棲って…(笑)」

「なんだよ、一心」

「ううん~」
意味深に笑う、一心。

「お前、キモいぞ」

「まぁでも!
良かったね!
同棲したいくらいの人に出逢えて」
俊英の肩を叩く。

「あぁ!まぁな」

「蓮花ちゃん、俊英のことよろしくね!」

「あ、はい!」

「俊英、本気みたいだし」

「え?」

「俺、俊英とは10年くらいの付き合いだけど、その間、同棲なんてあり得ないって感じだったんだよ?」

「そうなんですか?
…………そうなの?俊英」
「え?あ、まぁ…」
見上げる蓮花に、俊英が苦笑いをする。

「彼女がいても、なんか蔑ろにすることが多くてさ」

「あ!それって、恋人・友達・自分自身・仕事に優劣をつけないってやつですか?」

「そう!それ!!」
蓮花の言葉に、食いつく。

「それ、高校生の時も言ってました!
口ぐせみたいに(笑)」

「全部、同じくらい大切だからって!
俺は御子が一番だから、そんな俺に“あり得ねぇ!”って言ってたんだ。
あ、ほら!ドラマとかであるじゃん。
“仕事と私、どっちが大事なの!!?”ってやつ」

「あー(笑)」

「俊英に言わせると………」

「「どっちも同じ。
優劣つけてなんになる?」」
蓮花と一心の声が綺麗にハモった。

「フフ…高校ん時からなんだー(笑)」
「はい(笑)
私はその言葉、ぶつけること出来なかったですが(笑)」

「えー、なんでぇー」

「嫌われたらやだなって思って……」

「そっか……
でもそんな俊英が、今は蓮花ちゃんと同棲してる!
だから、本気なんだと思う」

「はい!」


「━━━━━で!なんで、焼肉を食べてるんだ?」
「いいじゃん!
肉の気分だったんだし、引っ越し手伝ったんだから奢ってよ!」
その後、一心の提案で焼肉店にいる四人。
抗議するように言う俊英に、カルビを頬張り言い返す一心。

「あ、ここは私が………」

「「は?
なんで、蓮花(蓮花ちゃん)が奢んの!?」」

「え?だって、私の引っ越しだし……」

「「俺(俊英)が出すから問題ない!」」
俊英と一心に責められるように、言い聞かせられた。

「は?てか、一心も出せ」
「えー、引っ越し手伝ったしー、俊英奢ってよぉー」

「キモい!」
「奢ってくれるってゆうまで、キモいくらいへばりつくよ?」
俊英に抱きつく、一心。

「うわっ!?ほんと、キモい!!
わかった!わかったから!」
「よし!!
御子ー、蓮花ちゃんも!
沢山食べようね~」

「ほんと、調子いいやつだな……」

「フフ…」
「フフフ…」
俊英と一心の言い合いに、蓮花と御子は終始笑っていた。
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