運命の恋を、君と…
そして二人は、街に買い物に出掛けていた━━━━━━
指を絡め合って繋ぎ、微笑み合っている。


「まずは……蓮花の服から!
いつも、何処で買ってた?」

「ん?
◯◯だよ。
リーズナブルなのに、生地もしっかりしてるから!
それに肌に優しくて、お母さ━━━━あ…」

「ん?お袋さん?
…がどうした?」

「ううん!」

「なんだよ。
言えよ!」

「病弱なお母さんにも、とても良かったの。
ごめんね。
どうしても、お母さんのこと思い出しちゃう。
嫌だよね。
お母さんの話。
なんか、暗くなっちゃうし」

「いや、もっと聞かせろよ、お袋さんの話。
俺は聞きたい!」

「いいの?」

「当たり前だろ?
蓮花のお袋さんだぞ!
きっと、いいお袋さんだったんだろうなって思うもん!
蓮花の大切な人だし!
だから、俺にとっても大事だ!」

「うん…!ありがとう、俊英!」



「━━━━ねぇ、俊英。
どっちがいいかな?」

「んー、こっち…だな!」

「やっぱり?
嬉しい!意見が合った!」
「フフ…」

蓮花の服を、仲良く決めていく。

「ごめんね。
カゴ持ってもらってる上に、結構振り回してる」
「いや。
俺、買いもん嫌いじゃねぇもん!
つか、ここってメンズもあるよな?」

「うん!
向こうのコーナーに!
行く?」

「いい?」
「もちろん!」

「━━━━俺も、Tシャツでも買おうかなと……
おっ!これ、さっき蓮花が入れてたTシャツじゃね?」
「ほんとだ!
……………お揃いだ!/////」
ポツリと呟く、蓮花。

でも“お揃い着よ”なんて言えない。

「着て欲しい?」

「え!?/////」

「正直に言って?」

「お揃い…欲し…/////」
消え入りそうな声で言うと、俊英が“フフ…”と笑ってTシャツをカゴに入れた。


その後━━━シーツやカーテンを購入し(蓮花が選んだ)ランチに向かっていた。

「結構、買ったな!」
「うん!
なんだか、こんなに沢山自分の物を買ったの、久しぶりだから気持ちいい!」

「確かに!
……………でもさ。
蓮花、ほんとお袋さんのこと好きなんだな!」

「え?」

「カーテンやシーツ。
お袋さんが好きだったからって、選んでただろ?
お前の中心は、お袋さんなんだなって」

「そうかも?
ずっと、お母さんが中心だったから」
微笑む俊英に、蓮花も微笑む。

「なんか……」
「ん?」

「ちょっと、羨ましい……!」
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