運命の恋を、君と…
「終わったぁー」
一心が、伸びをしながら息を吐いた。

「なんとか、纏まったな!」
「よし!これで明日のプレゼン、いけるだろ!」
他社員達も、ホッと息を吐く。

俊英は、腕時計を確認する。
「は?もう、9時半かよ……」

「俊英、なんか軽く食べて帰ろ?」
「ん。
…………ん?あ、俺、帰るわ」
スマホを操作しながら言う、俊英。

「えー」

「蓮花が、寂しがってる」

「は?
このメッセージのどこが?」
横から覗き込み言う。

「蓮花は普段、こんなメッセージ送ってこない。
俺が遅くなることを伝えてなかったなら別だが」

「そうなの?」

「あいつは昔から、我慢するクセがあるからな。
たぶん、このメッセージ内容が精一杯だったはず」

「へぇー!
わかった、じゃあ早く帰ってあげなよ」


電話をかけながら、帰宅する俊英。
繋がらない。

「寝た?」

いや、きっとそれはないだろう。
こんなメッセージを送ってきて、先に寝るようなことはしない。

“先に寝てろ”と言っても、ずっと待ってるような人間だ。

俊英は、足早にマンションに帰った。

「ただいまー、蓮花ー?」
声をかけながら中に入る。

しかし、リビングにいない。

「え?寝た?」

寝室にも行ってみるがいない。

「は?何処?」

すると洗面所のドアが開き、蓮花が出てきた。
「あ!俊英!お帰りなさい!」

嬉しそうに駆け寄ってきた蓮花。
思わず俊英は、蓮花を抱き締めた。

「遅くなってごめんな」
「ううん!」

「メッセージ、気づかなくてごめん」
「ううん!
私こそ、仕事で遅くなるって言ってたのにごめんね」

「チゲーよ!」
バッと、蓮花を離し顔を覗き込む。

「え?」
「我慢、すんなっつってんじゃん!
ほんとは“寂しい”とか送りたかったんじゃねぇの?」

「え……」

「“早く帰ってきて”とか」

「そ、それは……」

「図星だろ?」

「おっしゃる通りです…」

「………ったく…(笑)
ほら、もっとギュッてしてやる!」
「うん…/////」
両手を広げる俊英に抱きついた。

「………」
「………」

「俊英」
「んー?」

「煙草、吸いすぎだよ」
「そう?」

「スーツから凄く臭うもん!」

「あー、今日は結構吸ったかも?
一心達も、吸う奴ばっかだし」

「もう!控えなきゃ!」

「はーい。
でも、蓮花は甘い匂いがする!」
「お風呂、入ったばっかだもんね!」

「旨そう!」
「旨そう?(笑)
俊英、甘いの苦手でしょ?」

「蓮花は特別!」
そう言って、蓮花の顔を上げさせ食らいつくように口唇を塞いだのだった。
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