運命の恋を、君と…
ソファに座らせ、頬を包み込んで問いかけた。
「蓮花。
大丈夫だから、落ち着いて話して?
どうした?」

「今、宅急便、来てる、の。
俊英、受け取りに行ってくれ、る?
玄関前で、待たせてるの。
訳、ちゃんと、話すから、とりあえず…」
震えながら、途切れ途切れに言う。

「わかった。
すぐ、戻ってくるからな!」
頭をポンポンと撫でて、玄関に向かった。


「はい?」
玄関を開け、応対する俊英。

「え?」
配達員は、目を見開いて俊英を見た。
当然、蓮花が出てくると思っていたからだ。

「ん」
俊英が、手の平を出す。

「え?」

「は?に、も、つ!」

「あ、あの…蓮花さんは?」

「は?
あんた、誰?
蓮花のダチ?」

「い、いえ…」

「じゃあなんで、蓮花の名前気安く呼ぶんだ?」

「それは…」

「とりあえず、荷物寄越せよ」

「あ、はい」

俊英は伝票にサインをすると、ガシャンとドアを閉めた。


リビングに戻り、蓮花の横に座る。
「取ってきた」

「ありがとう。配達員さん、なんか言ってた?」

「俺の蓮花を、気安く“蓮花さん”って呼んでた。
なんで?」

「そう…」

「何だあれ。
スゲー、胸くそわりぃんだけど!」

蓮花は、俊英に今までのことを話した。

「━━━━━は?じゃああいつ、ストーカー!?」

「いや、マンション前にいるだけだから……
それに、挨拶するだけで何かしてくるわけじゃないの。
もしかしたら、毎日このマンションの誰かしらに配達してるかもだし……」

「は?
それにしても、蓮花の帰る時間にいつもってわけじゃねぇだろ!
さすがに、あり得ねぇよ!
どう考えても、待ち伏せてんじゃん!
…………つか!!」
俊英が、蓮花の頬をつまんだ。

「んんっ!?いひゃい!!?(痛い)」

「“また”ずっと我慢してたのかよ!!?」

「ごへんなひゃい…(ごめんなさい)」

「なんで、もっと早く“助けて”って言わねぇの!?
なんで、切羽詰まらないと言わねぇんだよ!?」

「ごへん…」

手を離した、俊英。
つまんでいた頬をさする。
「ごめん。痛かったよな?」

ゆっくり首を横に振る、蓮花。

「はぁ…俺、頼りないとか?」

「え?」

「俺は、一生蓮花を守り抜ける自信あんだけど!」

「違うよ!頼りにしてるよ!
ただ、心配かけたくなくて!」

「こんな風に、ギリギリになって助けを求められる方が心配するし“迷惑”だ!」

「え……」
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