運命の恋を、君と…
「蓮花は、俺に…後悔をさせたいのかよ!?」

「え?」

「もし……お前が、襲われるようなことになっていたら………
何も知らない俺に残るのは、怒りと後悔だ。
もっと早く、蓮花の不安に気づいてたら。
なんで、気づいてやれなかったのか!
……ってな」

「うん。そうだよね……」

「大事な女の苦しみや不安に気づけないなんて、何よりも苦しい!
頼むから………“心配かけたくない”とか、勝手に決めつけるのやめてくれ!
“心配をかける”ってことの、本当の意味を考えろよ!
我慢されるくらいなら、ワガママ言われる方がよっぽどマシだ!」

「うん。ごめんね!ごめんなさい!!」
蓮花は、何度も頭を下げた。


それから俊英は部屋に戻り、残りの仕事の電話を済ませた。

リビングに戻ると、蓮花はソファに座りテレビを見ていた。
ローテーブルの上には、プレゼントの箱が置いてあった。

「あ、俊英。
仕事、大丈夫だった!?」

「あぁ。心配すんな!」

「良かった…」

「それより、これ何?」

「俊英へ、プレゼント!」

「え?俺に?」

「うん!
この指輪のお礼ってゆうか……“俊英は私の”って印?みたいな」
蓮花は、左手の薬指の指輪に触れながら微笑んだ。

「へぇー!
ありがと!
開けていい?」
「もちろん!」

「…………おっ!財布!キーケースまであんじゃん!
蓮花、サンキュな!!」
「うん!良かった!喜んでもらえて」

「当たり前じゃん!」

「………俊英」
真剣に俊英を見据える、蓮花。

「ん?」

「あの配達員さんのことだけど」

「あぁ」

「◯◯急便に連絡して、ここの配達担当を外してもらうように頼んでみるね!」

「うーん。
それさ。
俺に任してくんね?」

「え?うん。わかった」



休みは家の中でゆっくり過ごして、月曜日━━━━━━
「じゃあ、気をつけろよ!」
「うん!俊英も!」

駅で別れ、それぞれ仕事に向かう。
俊英は電車に乗る前に、一心に電話をかけた。

「一心」

『もしもし?おはよ~』

「俺、ちょっと所用で遅れるから。
代わりに、パソコンに保存してある情報をコピーしといてくれ」

『わかった!
いいけど、珍しいね!
俊英が仕事を他人に任せるなんて』

「仕事よりも大事な、所用だから」

それを聞いて一心は“蓮花ちゃん絡みか!”と思う。

そして俊英はその足で、あの配達員が勤める営業所に向かった。
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