運命の恋を、君と…
「「「カンパーイ!!!」」」

居酒屋に移動し、乾杯をする。
賑やかに食事会が始まった。

みんなの興味は、当然“蓮花”だ。

「蓮花、その指輪……」

「あ、うん/////」

「結婚したのかよ!!?」

「あ、結婚はまだなの」

「じゃあ、婚約中?」

「うん/////」

「そうなんだ……」
蓮花の隣に座っていた閃の、落ち込んだような声がする。

「フッ!閃が、露骨に落ち込んでる…(笑)」
友人の一人が笑う。

「うるさいな!」

「人の幸せに携わる仕事してると、幸せが吸い取られんのかなー(笑)」
「あー、そうかもー?(笑)」

「え?」
「幸せに携わる仕事?」
友人達の言葉に、蓮花と御子が首をかしげる。

「あ、僕、ウェディングプランナーの仕事してるんだ」

「え!?そうなの!?」
「そうなんだ!
なんか……」

「「ぴったり……(笑)」」
蓮花と御子の声がハモる。

「そう?(笑)
明日も一組、式の予定が入ってるんだ!」

「そうなんだ!じゃあ、忙しいんじゃないの?」

「んー、まぁね。
でも、会いたかったし…蓮花に」

「え…/////」
真っ直ぐ見つめてくる閃に、蓮花は顔を赤くする。

「蓮花、変わらないな………!」
「へ?」

「すぐ、顔を赤くするとこ。
でも、ちゃんと真っ直ぐ見てくれるとこも」

「そう…かな…?」

「そうゆうところが、大好きだった……!」

「閃…」

「ねぇ、少しだけ…二人になれないかな?」

「え……」
閃の瞳は、何故かキラキラしている。
とても綺麗で、吸い込まれそうになる。
そしてそれは、瞳だけではない。
性格も真っ直ぐで、物腰の柔らかい。

蓮花はそんな閃の、純粋な目や性格が好きだった。

「━━━━閃と蓮花!
煙草買ってきて!
おつりは、いらないから!」
友人の一人が、千円札渡して意味深に言った。

「…………わかった」
閃は頷き、蓮花の手を引いた。

「閃!!」
閃の背中に呼びかける、御子。
振り向く、閃。

「“信じてるから”」

御子の言葉に、微笑み大きく頷いた。


近くのコンビニに向かう。
手は、繋がれたまま。

「閃」
「ん?」

「手…離して?」
「あ、うん」

手を離され、横を歩く。
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