運命の恋を、君と…
「………だよね…
つい、本気にしちゃった……(笑)
私って、バカだなぁ(笑)」

スマホを握りしめて、切なく呟く。

「蓮花ー、もうそろそろ解散するよ~」
そこに、御子が声をかけてきた。

蓮花は一度息を吐き、気持ちを整え御子に微笑み頷いた。

「蓮花?どうしたの?」
「ん?」

「なんか、悲しそう…
俊英くんと電話してたんでしょ?
繋がらなかったの?」
「ううん!
声、聞けたよ!
行こ?御子」

「………」


そして俊英も………

「………」
スマホを握りしめて、固まっていた。

「俊英!次行くよー」
一心が肩を叩き、声をかけてくる。

「あ、あぁ…」

「は?どうした?
相手、蓮花ちゃんだったんでしょ?
あんな幸せそうな表情(かお)、蓮花ちゃん相手じゃないとしないでしょ?」

「あぁ、蓮花だったよ」

「じゃあなんで?
喧嘩でもしたの?」

「別に」

「…………そう?
じゃあ、次行こ?」

「何処行くんだよ?」

「ん?クラブ」



「いらっしゃいませ~!」

「皆さん、イケメンですね~/////」
「素敵~」

「ありがとう!」
「でも、冬澤や祭田と並ぶと……な?(笑)」
「劣る…
俺達、足元にも及ばない(笑)」

それから、楽しく会話や酒が進む。
しかし俊英だけは、無表情で考え込んでいた。

(あれってどう考えても……俺の言葉を本気で取ったってことだよな?
じゃあ、蓮花は“ここに来てくれようとしてた”??)

「あーもー、わかっんねぇー!!!」

「び、びっくりしたー
急に声張り上げないでよ!!」
「なんだよ、冬澤!!」

急に俊英が、頭を抱えて声を張り上げたため、一心達が抗議する。

「あ、わりぃ」

「てか!さっきから何なの!?」

「別に」

「だからぁ!!
“別に”とか、聞きたくねぇんだよ!?
いい加減にしろ!
てめぇのせいで、雰囲気悪くなんだよ!?」
思わず、口調が乱暴になる一心。

「お、おい…祭田!
口!口!
言葉、乱暴になってる!」

「あ、ごめんね~!」

「冬澤も!
話せとは言わねぇが、楽しく飲めねぇなら先にホテル帰れ」

「あ、そうだな。
悪かった!」

俊英は、万札を置いてクラブを出た。
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