運命の恋を、君と…
「…………そうかもな」

「知らないフリしてよ!バカ!」

「ごめん」

「…………でも…それならなんで付き合ってくれたの?」

「相手がサラだったから」

「は?」

「俺はさ。
蓮花が、誰よりも大事だ。
好きで、好きで、好きで、好きで……
あいつの全部が欲しいくらい。
蓮花が俺以外の男と話してるだけで、嫉妬でおかしくなる。
どうしようねぇ欲ばっか出てきて、処理できなくて、そんな自分が嫌になるくらいに!
今も、会いたくて堪んねぇ!!
…………でも、サラと付き合ってた大学生活も悪くなかった。
お前サッパリしてたから、ほんと居心地良かったんだ。
勝手な俺に文句一つ言わず付き合ったくれたの、蓮花とサラだけ。
お前が今日で、俺に会うの最後のつもりなんだろうなってのも、なんとなく察しがついた。
だから、何も言わずについて来た」

「………………
……ったく…(笑)
最後まで、勝手な奴!!」

「ごめん」

「幸せになってよ!彼女と!」

「あぁ。
ありがとな、サラ」

「ううん!
……………バイバイ…俊!」

手を振るサラに、俊英は微笑み小さく手を振った。



自宅マンションに帰ると、蓮花がソファに横になってうたた寝をしていた。

俊英は、ソファの下にあぐらをかき座った。
そして、フフ…と微笑んだ。

蓮花が俊英のパーカーを抱き締めて寝ていたから。

「可愛すぎ…/////」
ゆっくり頭を撫でる。

「早く起きねぇかな……?」
頭を撫でていた手を、頬に移し軽くつまんだ。

ぷにぷにしていると、蓮花の瞼が震えてゆっくり目が開いた。

「あ…起きた!」
「ん…俊英……?」

「ん。ただいま!」
「んん…おかえりなさ……」

そのままのし掛かるように抱きついた、蓮花。
それを受け止め、俊英も抱き締めた。

「フフ…
遅くなってごめんな!」

「ん…
んん!?
俊英、サラさんに会ったの!?」
バッと離れ、俊英に向き直る。

「は?
なんで、わかった?」

「香水の香りがする」

「あ、あぁ。
うん、ちょっと頼まれてさ」

「“気が向いた”ってこと?」


「いや、違う。
“最後に”会ってきただけ」
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