結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
確認じゃないけれど、帰りに営業部のフロアに行ってみる。
誰かに聞いてみるとか、ましてや矢崎くんに直接確認するとかじゃなく、雰囲気でなんとなくわかるもんね。
ここ数年で一番大きな契約だ、失敗していればお葬式ムードになっているはず。
私の予想どおり、営業部のフロアには活気が溢れていた。
契約は上手くいったんだと確信し、その場をあとにしようとする。
そのとき、ちょうど奥の部屋から出てきた矢崎くんと目があった。
私を見て少し驚いた顔をしたあと、強調するようにネクタイを少し引っ張った横で、もう片方の手を使ってOKマークを作る。
それにうんうんと頷いた。
これは成功で間違いないな。
忙しそうだし、声はかけないままフロアを出た。
矢崎くんもすぐに、仕事モードに入っていたしね。
家に帰り、矢崎くんはいないのでイブキ相手にごはんを食べる。
「パパ、お仕事上手くいったんだってー。
よかったね」
「あん!」
意味がわかっているのか、イブキが元気に鳴く。
「よかったん、だけどさー……」
声は次第に消えていき、最後は物憂げなため息に変わった。
これで、矢崎くんとの夫婦ごっこは終わり。
いつ、別れを切り出そう?
それ以前に、上手く矢崎くんを説得できるかが心配だ。
「ただいま!」
誰かに聞いてみるとか、ましてや矢崎くんに直接確認するとかじゃなく、雰囲気でなんとなくわかるもんね。
ここ数年で一番大きな契約だ、失敗していればお葬式ムードになっているはず。
私の予想どおり、営業部のフロアには活気が溢れていた。
契約は上手くいったんだと確信し、その場をあとにしようとする。
そのとき、ちょうど奥の部屋から出てきた矢崎くんと目があった。
私を見て少し驚いた顔をしたあと、強調するようにネクタイを少し引っ張った横で、もう片方の手を使ってOKマークを作る。
それにうんうんと頷いた。
これは成功で間違いないな。
忙しそうだし、声はかけないままフロアを出た。
矢崎くんもすぐに、仕事モードに入っていたしね。
家に帰り、矢崎くんはいないのでイブキ相手にごはんを食べる。
「パパ、お仕事上手くいったんだってー。
よかったね」
「あん!」
意味がわかっているのか、イブキが元気に鳴く。
「よかったん、だけどさー……」
声は次第に消えていき、最後は物憂げなため息に変わった。
これで、矢崎くんとの夫婦ごっこは終わり。
いつ、別れを切り出そう?
それ以前に、上手く矢崎くんを説得できるかが心配だ。
「ただいま!」