結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
どうも今日は、私たちだけっぽい。

「本当は俺の別荘に招待したいけどなー」

「え、矢崎くん、別荘持ってるの?」

凄いなー、なんて感心したものの。

「さすがに別荘は持ってない。
そのうち、建てる予定だけどな」

と、苦笑いされてしまった。

「荷物、運び込んどくから、中見てていいぞ」

「え、いいの?」

別荘なんて来たことがないので、わくわくしてしまう。

「いいよ。
俺は何度も来たことあるし」

「じゃ、お言葉に甘えて」

矢崎くんがドアを開けてくれたので、イブキと一緒に中に入る。
玄関からリビングにかけて、吹き抜けになっていた。
広い庭にはプールが見える。
日が燦々と降り注ぎ、嵌め込まれているステンドグラスから色とりどりの光が落ちていた。

「外、出て見ろよ。
そのへんにサンダルあるだろ」

「あ、うん」

荷物を持ってきた矢崎くんから声をかけられ、ウッドデッキを見たらサンダルが置いてあった。
それをつっかけて庭に出る。
その後ろをイブキが追ってきた。
半島の先にぽつんと建っているのでなにも遮るものがなく、気持ちのいい風が吹く。
遠くの海までよく見えた。

「海に出られるんだ」

プールの脇に小道があり、すぐ砂浜へと繋がっていた。

「凄いなー、さすが会長っていうか」

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