結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
矢崎くんも同意見だったらしく、苦笑いしている。
あの当時はまだ、これだからブラック企業は、などと思っていたものだ。
いや、あの親睦会という名の研修はまったくもって無駄だけれど。
「まあ、潰してやったけどな」
「……は?」
さらりと言われ、また彼の顔を見る。
「キャンプでの共同作業で、同期の繋がりを深めるってなんだよ。
溝は深まったけどな」
「は、ははは……」
苦々しく矢崎くんが吐き捨て、笑うしかできなかった。
無自覚なのかなにかと命令してくる陽キャの数人に、反感が集まったのは事実だ。
「無駄なんだよ、あんなの。
だから目安箱に投稿して、潰してやった。
といっても当事者なんて限られてるし、書いたの俺だってバレてるだろうけどな」
「……凄いね、矢崎くんは」
私は不満に思うだけで終わった。
でも、矢崎くんはどうするべきか考え、行動した。
未来の経営者だから、っていうのはあるかもしれない。
それでも、私はそんな彼を尊敬する。
「凄くないよ、当たり前だろ」
「ううん、凄いよ」
そうやって当たり前だっていえるところ、もっと。
「話逸れたけど。
私、料理ができる人が好きとか言ったっけ?」
あの当時はまだ、これだからブラック企業は、などと思っていたものだ。
いや、あの親睦会という名の研修はまったくもって無駄だけれど。
「まあ、潰してやったけどな」
「……は?」
さらりと言われ、また彼の顔を見る。
「キャンプでの共同作業で、同期の繋がりを深めるってなんだよ。
溝は深まったけどな」
「は、ははは……」
苦々しく矢崎くんが吐き捨て、笑うしかできなかった。
無自覚なのかなにかと命令してくる陽キャの数人に、反感が集まったのは事実だ。
「無駄なんだよ、あんなの。
だから目安箱に投稿して、潰してやった。
といっても当事者なんて限られてるし、書いたの俺だってバレてるだろうけどな」
「……凄いね、矢崎くんは」
私は不満に思うだけで終わった。
でも、矢崎くんはどうするべきか考え、行動した。
未来の経営者だから、っていうのはあるかもしれない。
それでも、私はそんな彼を尊敬する。
「凄くないよ、当たり前だろ」
「ううん、凄いよ」
そうやって当たり前だっていえるところ、もっと。
「話逸れたけど。
私、料理ができる人が好きとか言ったっけ?」