結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
爽やかに切りそろえられた黒髪を七三分け、涼やかな目もとを黒縁スクエアの眼鏡が引き立てる。
薄いけれど唇は形が整っており、間違いなくイケメンだ。
実際、周囲の女性たちの目を独占していた。
さらに二十代のうちに同期で一番早く課長になり、出世頭なので会社では同期や年下だけではなく、年上の女性たちも狙っているという話だ。
そんな彼と並んで通勤なんて優越感――などまるでなく、私にとって彼はただの友人枠だった。
「相変わらず疲れてんな」
「あー……。
まあ、ね」
曖昧な笑顔を彼に向ける。
連日のオーバーワークと今朝は母からの電話で気力を削られ、いつもよりも疲れた顔をしている自覚があった。
「今日はいつもにもまして、クマが酷いぞ」
「うそっ!?」
矢崎くんに顔をのぞき込まれ、足が止まった。
昨晩は温タオルで温めてマッサージし、朝だってコンシーラーで念入りに隠してきたつもりなのに。
「係長になったからって、頑張りすぎ」
「あっ」
私の手を掴み、彼は見えてきたコーヒーショップへと向かっていく。
「コーヒー奢ってやるから、少し肩の力抜け」
「……ありがと」
気づいたときには注文カウンターの前にいた。
ありがたく、カフェラテを注文する。
薄いけれど唇は形が整っており、間違いなくイケメンだ。
実際、周囲の女性たちの目を独占していた。
さらに二十代のうちに同期で一番早く課長になり、出世頭なので会社では同期や年下だけではなく、年上の女性たちも狙っているという話だ。
そんな彼と並んで通勤なんて優越感――などまるでなく、私にとって彼はただの友人枠だった。
「相変わらず疲れてんな」
「あー……。
まあ、ね」
曖昧な笑顔を彼に向ける。
連日のオーバーワークと今朝は母からの電話で気力を削られ、いつもよりも疲れた顔をしている自覚があった。
「今日はいつもにもまして、クマが酷いぞ」
「うそっ!?」
矢崎くんに顔をのぞき込まれ、足が止まった。
昨晩は温タオルで温めてマッサージし、朝だってコンシーラーで念入りに隠してきたつもりなのに。
「係長になったからって、頑張りすぎ」
「あっ」
私の手を掴み、彼は見えてきたコーヒーショップへと向かっていく。
「コーヒー奢ってやるから、少し肩の力抜け」
「……ありがと」
気づいたときには注文カウンターの前にいた。
ありがたく、カフェラテを注文する。