結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
爽やかに白い歯を見せて矢崎くんは笑って挨拶したが、私に言わせれば胡散臭い。
しかし。
「まあ。
あら、あら……!」
母には効果があったみたいで、乙女のように頬を赤らめた。
「もう。
こんなイケメンの彼氏がいるならそりゃ、見合いも断るわよね。
早く言いなさいよ」
「えっと……ごめん」
お茶を淹れている母に、曖昧な笑みを向ける。
あの日、母との電話の時点では、矢崎くんと結婚するなんて微塵も思っていなかったのだ。
「突然お伺いして、すみません」
「いいのよー。
こんなイケメンならいつでも大歓迎だわ」
にこにこ笑いながら母がお茶を出してくれる。
しかし、機嫌がいいのはここまで。
きっと彼の正体を聞いて、機嫌が悪くなる。
もしかしたら帰れと言われるかもしれない。
それを想像して、そわそわと落ち着かなかった。
「えっと。
結婚……を考えている、矢崎さん」
さすがに結婚したとは言えず、言葉を濁す。
「矢崎紘希と申します。
純華さんとは同じ会社の同期です」
矢崎くんは頭を下げた。
「そういえばときどき、純華から聞いたことがあるわ」
期待を込めてぱーっと母の顔が輝く。
「もしかしてずっと前から付き合ってたの?」
「えっ、あっ、それは」
しかし。
「まあ。
あら、あら……!」
母には効果があったみたいで、乙女のように頬を赤らめた。
「もう。
こんなイケメンの彼氏がいるならそりゃ、見合いも断るわよね。
早く言いなさいよ」
「えっと……ごめん」
お茶を淹れている母に、曖昧な笑みを向ける。
あの日、母との電話の時点では、矢崎くんと結婚するなんて微塵も思っていなかったのだ。
「突然お伺いして、すみません」
「いいのよー。
こんなイケメンならいつでも大歓迎だわ」
にこにこ笑いながら母がお茶を出してくれる。
しかし、機嫌がいいのはここまで。
きっと彼の正体を聞いて、機嫌が悪くなる。
もしかしたら帰れと言われるかもしれない。
それを想像して、そわそわと落ち着かなかった。
「えっと。
結婚……を考えている、矢崎さん」
さすがに結婚したとは言えず、言葉を濁す。
「矢崎紘希と申します。
純華さんとは同じ会社の同期です」
矢崎くんは頭を下げた。
「そういえばときどき、純華から聞いたことがあるわ」
期待を込めてぱーっと母の顔が輝く。
「もしかしてずっと前から付き合ってたの?」
「えっ、あっ、それは」