結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
「付き合い始めたのはつい最近です。
でも、ずっと前から互いに意識はしていて。
それで、もういっそ結婚しようかという話になりまして」
爽やかに笑いながらすらすら嘘が出てくる矢崎くんが恐ろしい。
しかし今はそれに乗るしかないので、うんうんと頷いておいた。
「そうなの。
純華から聞いているでしょうが、うちは母子家庭なの。
夫は女を作って出ていってね。
そういうの、親御さんは気にしないかしら?」
母は笑っていたが、その目は完全に矢崎くんを試している。
「気にしないと思います。
父は弁護士で、お母様のような人を守る立場の人間ですし。
それにもし、万が一にもそれを理由に反対するようなら、僕のほうから縁を切ってやりますよ」
「あら。
お父様は弁護士なの?」
「はい、父は弁護士をしております。
ちなみに母は専業主婦ですが、子供食堂でボランティアをしております。
そんな人たちなので、純華さんが母子家庭だという理由で反対しないと思います」
「立派なご両親なのねー」
さっきから母と矢崎くんの会話が、腹の探り合いに見えるのは私だけだろうか。
まあ、母としては変な人間に娘をやるわけにはいかないだろうし、そうなるか。
「そんなご家庭なのに、なんで普通の会社員を選んだの?」
でも、ずっと前から互いに意識はしていて。
それで、もういっそ結婚しようかという話になりまして」
爽やかに笑いながらすらすら嘘が出てくる矢崎くんが恐ろしい。
しかし今はそれに乗るしかないので、うんうんと頷いておいた。
「そうなの。
純華から聞いているでしょうが、うちは母子家庭なの。
夫は女を作って出ていってね。
そういうの、親御さんは気にしないかしら?」
母は笑っていたが、その目は完全に矢崎くんを試している。
「気にしないと思います。
父は弁護士で、お母様のような人を守る立場の人間ですし。
それにもし、万が一にもそれを理由に反対するようなら、僕のほうから縁を切ってやりますよ」
「あら。
お父様は弁護士なの?」
「はい、父は弁護士をしております。
ちなみに母は専業主婦ですが、子供食堂でボランティアをしております。
そんな人たちなので、純華さんが母子家庭だという理由で反対しないと思います」
「立派なご両親なのねー」
さっきから母と矢崎くんの会話が、腹の探り合いに見えるのは私だけだろうか。
まあ、母としては変な人間に娘をやるわけにはいかないだろうし、そうなるか。
「そんなご家庭なのに、なんで普通の会社員を選んだの?」