結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
心配そうに眼鏡の下で、矢崎くんの眉が寄る。
「ええっと……」
本部会社でも悪名を轟かせている彼のことだ、私が嫌がっているのは不思議ではない。
しかし関係ない母もとなると、不思議に思うだろう。
「ちょっと、ね」
しかし、適当に笑って誤魔化した。
これは父の気持ちを立てるため、母と私と、あの人の胸の中にだけに留めておこうと決めた話なのだ。
「……はぁーっ」
重いため息が矢崎くんの口から吐き出される。
次の瞬間。
「申し訳ありませんでした!」
彼はソファーから下り、土下座をした。
「アイツと血が繋がっているなんて吐き気がするほど嫌なんですが、それでも身内の不祥事です。
なにをやったか知りませんが、謝ります!」
「え……」
さすがに私も母も、矢崎くんの勢いに気圧されて、唖然とした。
「アイツに嫌な思いをさせられて、血の繋がる俺と娘さんとの結婚に反対なのはわかります。
でも、俺は誠心誠意、純華さんを大事にし、愛することを誓います。
アイツにも近寄らせません。
だから俺たちの結婚を許してください……!」
顔を上げて真っ直ぐに母を見る、レンズの向こうの瞳は、強い決意で光っている。
「お母さん、お願い。
矢崎くんとの結婚を認めて」
彼の隣で、私も頭を下げた。
「ええっと……」
本部会社でも悪名を轟かせている彼のことだ、私が嫌がっているのは不思議ではない。
しかし関係ない母もとなると、不思議に思うだろう。
「ちょっと、ね」
しかし、適当に笑って誤魔化した。
これは父の気持ちを立てるため、母と私と、あの人の胸の中にだけに留めておこうと決めた話なのだ。
「……はぁーっ」
重いため息が矢崎くんの口から吐き出される。
次の瞬間。
「申し訳ありませんでした!」
彼はソファーから下り、土下座をした。
「アイツと血が繋がっているなんて吐き気がするほど嫌なんですが、それでも身内の不祥事です。
なにをやったか知りませんが、謝ります!」
「え……」
さすがに私も母も、矢崎くんの勢いに気圧されて、唖然とした。
「アイツに嫌な思いをさせられて、血の繋がる俺と娘さんとの結婚に反対なのはわかります。
でも、俺は誠心誠意、純華さんを大事にし、愛することを誓います。
アイツにも近寄らせません。
だから俺たちの結婚を許してください……!」
顔を上げて真っ直ぐに母を見る、レンズの向こうの瞳は、強い決意で光っている。
「お母さん、お願い。
矢崎くんとの結婚を認めて」
彼の隣で、私も頭を下げた。