結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
「ん?」
「しばらくはここでよくない?
子供とかすぐにできるわけじゃないんだし」
そのときが来たら別れるのだ、なのに家を建てるとか申し訳なさすぎる。
「嫌だ。
俺は早く子供がほしい。
今から家を建てても遅いくらいだ」
腕を組み、彼がうん、うん、と頷く。
「そ、そうなんだ……」
それをなんともいえない気持ちで見ていた。
矢崎くんがこんなに頑固だなんて知らなかったし、正直、ちょっと面倒だなっていう気持ちもある。
あと、〝子供は三人、あとは犬を飼う〟という夢は叶えてあげられないので、心苦しかった。
……あ。
でも。
家を建てるのはあれでも、ペットOKの物件に引っ越せば、犬だけは叶えてあげられるのか……。
「じゃあ、さ。
……家、借りない?」
おずおずと上目遣いで矢崎くんに提案してみる。
彼はなぜか眼鏡から下を手で覆い、私から目を逸らした。
「……可愛すぎる」
「は?」
なにを言われているのかわからず、思わず瞬きをしてしまう。
「いや、なんでもない」
しかしすぐに彼は小さく咳払いし、普段どおりを装ってきた。
「だから、賃貸は嫌だって言ってるだろ」
「しばらくはここでよくない?
子供とかすぐにできるわけじゃないんだし」
そのときが来たら別れるのだ、なのに家を建てるとか申し訳なさすぎる。
「嫌だ。
俺は早く子供がほしい。
今から家を建てても遅いくらいだ」
腕を組み、彼がうん、うん、と頷く。
「そ、そうなんだ……」
それをなんともいえない気持ちで見ていた。
矢崎くんがこんなに頑固だなんて知らなかったし、正直、ちょっと面倒だなっていう気持ちもある。
あと、〝子供は三人、あとは犬を飼う〟という夢は叶えてあげられないので、心苦しかった。
……あ。
でも。
家を建てるのはあれでも、ペットOKの物件に引っ越せば、犬だけは叶えてあげられるのか……。
「じゃあ、さ。
……家、借りない?」
おずおずと上目遣いで矢崎くんに提案してみる。
彼はなぜか眼鏡から下を手で覆い、私から目を逸らした。
「……可愛すぎる」
「は?」
なにを言われているのかわからず、思わず瞬きをしてしまう。
「いや、なんでもない」
しかしすぐに彼は小さく咳払いし、普段どおりを装ってきた。
「だから、賃貸は嫌だって言ってるだろ」