結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
第四章 素敵な旦那様
週末の土曜日は頑張って早く起きた。
矢崎くんを起こさないようにベッドを抜け出し、コーヒーを淹れてダイニングテーブルでパソコンを広げる。
「おはよう、もう起きてたのか」
「おはよー」
二時間ほど経った頃、矢崎くんが欠伸をしながら寝室から出てきた。
「仕事?」
「そう」
後ろからパソコンをのぞき込みながら、彼の手が肩にのる。
見上げると、唇が重なった。
「持ち帰りで?」
「あー、そろそろ残業時間ヤバくて……」
気まずさを笑って誤魔化し、それでも目を逸らす。
月末になり、これ以上の残業はレッドゾーンに入ってきた。
会社での仕事がマズいとなれば、こっそり持ち帰ってやるしかないのだ。
「そういうの、会社的にはダメなんだぞ、知ってるか?」
眼鏡の下で矢崎くんの眉間にふかーい皺が刻まれる。
「し、知ってるけど……」
視線が定まらず、あちこちへと向く。
ただの同期に責められているならまだしも、相手は次期経営者なのだ。
未来の上役に責められるのはさすがに堪える。
「で、でも、イベント来月、だし。
それが終わったら少しは落ち着くと……思う」
根拠のない言い訳でしかないので、やましさ満点でしどろもどろになってしまう。
「ふぅん」
私を見下ろす、矢崎くんの目は冷たい。
矢崎くんを起こさないようにベッドを抜け出し、コーヒーを淹れてダイニングテーブルでパソコンを広げる。
「おはよう、もう起きてたのか」
「おはよー」
二時間ほど経った頃、矢崎くんが欠伸をしながら寝室から出てきた。
「仕事?」
「そう」
後ろからパソコンをのぞき込みながら、彼の手が肩にのる。
見上げると、唇が重なった。
「持ち帰りで?」
「あー、そろそろ残業時間ヤバくて……」
気まずさを笑って誤魔化し、それでも目を逸らす。
月末になり、これ以上の残業はレッドゾーンに入ってきた。
会社での仕事がマズいとなれば、こっそり持ち帰ってやるしかないのだ。
「そういうの、会社的にはダメなんだぞ、知ってるか?」
眼鏡の下で矢崎くんの眉間にふかーい皺が刻まれる。
「し、知ってるけど……」
視線が定まらず、あちこちへと向く。
ただの同期に責められているならまだしも、相手は次期経営者なのだ。
未来の上役に責められるのはさすがに堪える。
「で、でも、イベント来月、だし。
それが終わったら少しは落ち着くと……思う」
根拠のない言い訳でしかないので、やましさ満点でしどろもどろになってしまう。
「ふぅん」
私を見下ろす、矢崎くんの目は冷たい。