【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
  だって、最初、
 あんなにわたしを失格にしたがっていたヴァンが、
 認めてくれたんだよ? 
 
 それって、すごいことだと思うし、わたしも認めてもらった達成感があった。

 髪飾りをもらった時だって、思い出になっている。

 ぶっきらぼうな兄貴分のヴァンがほほえんでくれて、
 その笑顔がとっても優しかったこと。

 髪飾りをつける時、いつもあの顔が目に浮かぶんだ。



「これは、ヴァンからの大事なおくりもの。
世界にひとつしかない、髪飾りなの。だから……」



 ひたすら頭を下げて言うと、「あ~あ」というハーピーの声。



「しらけちゃった、帰ろうっと」



 ああ、やっぱり行っちゃうのか……。

 う~、キラキラしたもの、キラキラしたもの……。

 ……あ!



「待って! これはどう?」



 わたしがポシェットからとりだしたのは、
 あの超大型ゴーレムに入っていた、ヒビ入りの核。
< 100 / 303 >

この作品をシェア

pagetop