【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
9.キヨコを救え!
先回りしようと思っているのか、ヴァンはものすごい速さで走っている。
必死で後を追いかけていると、
ヴァンはいきなりぴたっと止まって、岩の影に身を隠した。
わたしもぐいっとひっぱられ、
勢いあまってヴァンの胸の辺りに鼻をぶつける。
「いひゃいじゃん!」
「シッ!」
口をふさがれ、言われた通りに黙る。
すると、向こうから人がやってきた。
あ、あれは、キヨコ!
キヨコはうつむいて、男の後ろを歩いていた。
となると、あの男がコズールか。
黒いひげをたくわえた、荒々しい顔をした男だ。
「よし、おれがまず、説得してくる」
え!?
あの、肉体言語派。
何様、おれ様のヴァンが!?
わたしがショーゲキを受けてる間に、
ヴァンは立ち上がって岩影から出ると、
ふたりの前に立ちはだかった。