【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
「申し訳ありません。
率直に申し上げますと、
そこのメロウをこちらに返しては
いただけませんでしょうか?」

「けっ、嫌だね。コイツはもう、おれのもんだ」



 コズールはキヨコの肩を乱暴に抱き寄せた。
 キヨコの顔が悲しそうにゆがむ。



「それでは今後、
当ダンジョンへのお客様の出入りを禁止させていただきますが、
よろしいでしょうか?」

「ああ!? 禁止ぃ? 
そんなん聞いてねえぞ! 
安い金で入れる割には、いいモンスターがそろってるってのに」

「規則ですから。
『練習用ダンジョンゆえに、モンスターの捕獲は禁止』という項目に、
チェックを入れて、入場したはずですが?」

「うるせぇ! ぶっとばすぞ!」



 コズールが、ビュンっと何かを振りかぶった。

 釣竿だ。

 その、釣り針がピッとヴァンのほほをかすめる。
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