【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~

 コズールが肩掛けカバンから取り出したのは、
 鉄の棒に長い鎖がつき、
 その鎖の先にトゲトゲした鉄球がついている武器、
 モーニングスターだった。
 
 釣竿で例えるなら、
 釣竿部分が鉄の棒、釣り糸部分が鎖、釣り針部分が鉄球に
 なっている武器だ。

 だから、釣竿もうまくあやつっていたんだね。



「くらえっ!」



 ヴァンに向かい、鉄球がせまる。

 ギャンッ!

 すごい音がしたけれど、ヴァンは無事だ。

 鉄球を蹴り上げた!

 そのまま、ポンポンと鉄球をボールのようにして、
 地面に落とさずに蹴り上げ続けている。

 いくら、鉄の靴を履いているとはいえ、あの重そうな鉄球を軽々と。

 ヴァンて、どんだけ力があるんだろう……。



「どうした、こんなもんか……?」



 ん? なんだか、ヴァンの息が荒い。

 そんなに動いてないのに……。



「くそ。何だ? 力が、入らねえ……」



 何、何?
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