【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
鉄球が、再びヴァンのもとに飛んでいった、瞬間。
ゴゴゴッ!
地面からはえてきた石壁に当たり、
鉄球はガンッという音を立てて地面に落ちた。
「ほい、ほいっとな!」
エルノックはどんどん石壁を作り、
コズールの目の前の視界を完全にふさいだ。
わたしは岩影から出て、ヴァンのもとに向かう。
「ヴァン、大丈夫!?」
「……だい、じょぶ、だ。少し、休めば治る……」
いやいやいや、明らかに大丈夫じゃないよ!
顔色真っ青だし、言葉とぎれとぎれだし!
「エルノック、ヴァンを岩の後ろに隠して」
「あいわかった」
ずるずるとはこばれていくヴァン。これで、とりあえずは安心。
そう思っていると……。
ドガガガガッ!
ものすごい音がして、石壁の一部が壊された。
「よし、その調子だ、キヨコ。もっと石壁を壊せ!」