【完結】お試しダンジョンの管理人 ～イケメンたちとお仕事がんばってます！～

　魔法陣が光り、サラマンダーのムドーがあらわれた。



「ムドー、あの男の人をやっつけて！　キヨコを助けたいの！」

「よし、まかされよう！」



　ムドーはすうっと息を吸うと、ごおっと炎を吐きだした。

　じゅうううっ！

　突然発生した、白い煙。これは、水蒸気！？

　むわっとする熱のこもった煙に、思わずむせる。



「火の階のモンスターがなぜここにと思ったが……。
よくやったぞ、キヨコ」



　ふたりの周りには、水の膜がはられていた。

　キヨコが作った、防御膜だろう。



「よし、キヨコ。サラマンダーとあのガキを串刺しにしろ！」

「分かりました、コズール様……」



　やっぱり、キヨコは逆らえないみたい。

　再び飛んでくる、たくさんの水の矢。



「ひっ！」

「ぬ！　エート、危ない！」



　標的になっていたわたしの目の前に、ムドーが立ちはだかった。