【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~



 また、じゅうじゅうと水が蒸発する音が聞こえる。



「いちちち、少々やられたわい」

「ご、ごめんね。ムドー。かばってくれて、ありがとう」

「なんの。無事でよかった。しかし、どうするかのぅ……」



 そう言っている間にも、水の矢が降り注ぐ。

 もくもくと、煙幕のように水蒸気が発生して、辺りは真っ白だ。

 ……これ、使えないかな。



「エルノック、ちょっと相談なんだけど……」



 岩影にヴァンを隠していたエルノックが戻ってきたから、
 とあることができないか聞いてみる。

 ムドーとエルノックにしか聞こえない、小さな声で……。



「できるぞい。その作戦で行くのか」

「うん、お願い。ムドーも、できる?」

「当然じゃ。わしをだれだと思っておる」



 よし、準備は整った。

 さあ、あとは実行に移すだけ!



「ムドー、もう一度。精一杯の炎を吐いて!」
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