【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~

 霧がはれ、
 あらわれたのは上半身をふき飛ばされた、チビゴーレム。

 エルノックに作ってもらったのだ。

 ちょうど、エルノックが核の石を持っててくれて助かったよ……。

 視界がはっきりしなかったから、ふたりともゴーレムをわたしと勘違いしたんだよね。

 わたしは、大回りして、コズールとキヨコの背後に回ってたのだ。



「クソガキ、はなせ、このっ!」



 わたしは頭を蹴られても、髪を引っ張られても、
 必死でコズールの足にしがみついた。

 帽子はどこ? もしかして、この肩掛けカバンの中?



「キヨコ、このガキの頭にむかって、水の矢を打て!」



 まずい、時間がない!



「その必要はねーよ」



 えっ、この声は……。

 コズールの頭に、思いっ切り振り下ろされる足。

 メコッて音がして、コズールの顔は完全に地面に埋まってしまった。



「ヴァン!」
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