【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
わたしが驚いてるのもかまわずに、
キヨコはしゃがんでいるわたしに抱きついてきた。
「エートちゃん、わたしを、あなたの召使いにしてくれない?
恩返しがしたいの!」
「へ!?」
いやいやいや、召使いとか、そんなのはいいって。
せっかく帽子をとりもどして、自由になれたのに。
「友だちを助けるのは当然でしょ!」
「でも、このままじゃわたしの気がおさまらないし……」
うーん、ど、どうしようか……。
そこで、ふと思った。
「ねえ、キヨコ。
わたしは、あなたのこと友だちだと思ってたんだけど、あなたは違う?」
「ううん。
わたしも、エートちゃんのこと友だちだと思って……」
そこで、キヨコはぱっと顔に笑みを浮かべた。
「うん、そうよね。
わたし、エートちゃんに召喚してもらえる、お友だちになりたい!」
そう言って、キヨコはわたしの右手をぎゅっと両手で包みこんだ。