【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
10.ひとときの休息と大切な思い
わたしが両手を突き上げて、大声で叫んだ、そのあと。
ぐらっと揺らぐ世界。体から力がぬける。
やば、魔力切れだ……!
と、思った瞬間、体をがしっと支えられた。
「ヴァン……、ありがと」
「無理してしゃべんな」
そう言って、ヴァンはわたしを支えながら、
ゆっくりと地面に横たえ……、なかった。
「え」
横たえたには、横たえたよ。
でもそれは、ヴァンの腕の中。
わたしは、背中と膝裏を支えられて……。
そう、いわゆるお姫様抱っこ状態!
「わ、あの、ちょ、ヴァン!」
かーっと顔に熱がのぼる。
いや、顔だけじゃなくて、全身が熱い。
血がめぐりまくってる!
ドッドッドって鼓動の音が、
耳の奥で響きわたってじんじんしてる。
なんで? なんでこんなにドキドキするの?