【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
きっと、これ以上なぐさめの言葉をかける方が、
ヴァンにはつらいだろう。
ヴァンがつらいと、わたしもつらくなる。
……、なんで? わたしの教育係として、尊敬してるから?
ヴァンがわたしの顔をのぞきこみ、目と目が合う。
ヴァンのキレイな青い瞳。
普段は青空のように自由で強い色をしてるのに、今は優しい色をしていた。
まるで、すべてを包んでくれる海みたいだ。
「毒にやられたのが、おまえじゃなくてよかった」
胸の高鳴りが、どんどん大きくなる。
「おまえに、ケガがなくてよかった」
いつもとは全然違う、甘い声。
「……よくがんばってくれたな、エート」
名前を呼ばれて、心臓がぎゅうってなって、
なんだか泣きそうになった。
ああ、わたしの好きなほほ笑みだ。
……好き?
……、え、ちょっと待って。
好きって、何?