【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
「あ、そろそろ持ち場にもどらなくちゃ。
ヴァンがうるさいもの。
じゃあね、エートちゃん。早く元気になってね」
「うん、ありがとう、キヨコ」
パタン、とドアがしめられると、静けさがあたりを包む。
うとうととまどろんでいると、いつの間にか眠りについていた。
***
また、夢だ。
ああ、あの時のことか。
妹と……、フローリアと一緒に、
亡くなったお母様の部屋にいた時のこと。
ふたりで、お母様の本棚のどの本を読もうか
いろいろと本を引き出していた時だった。
背伸びしたい年頃だったから、
絵本じゃなくて、もっと難しい本も見てみよう! って、
普段は触らない分厚い本をかたっぱしからあさってたんだよね。
ひっぱりだされた本は積み重ねられて、タワーになってた。
当然、限界をむかえればそのタワーはバサバサとくずれる。
すると、落ちた一冊の本の間から、紙が出てきた。