【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
ヴァン、という名前を聞いたとたん、
なんだかソワソワして落ち着かない気分になった。
「よくやった」って、認められたのは、もちろんうれしい。
でも、「うれしい」」って気持ち以上に、あの時の、「好き」の気持ちの方が大きい。
それは……、例えば、わたしがマオに感じてる、「好き」とは違う気持ちなの?
マオのことは、もちろん好きだよ。
ちょっとズレてて、さっきみたいな恋人にするような行動をとられたりするけど……。
いや、マオ本人は完全にわたしをこどもあつかいしてたな。
……じゃあ、マオがわたしを恋人扱いしてくれたら、うれしい?
「……ート、エート」
「えっ、な、何、マオ?」
「どうした? やはり熱がつらいか?」
「う、うん。そうなのかも」
「そうか、ならゆっくり休め。
おれはもう行くぞ。
トレーと器は、あとで取りに来るからな」
「うん、ありがとう」