【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~



 マオがいなくなり、わたしはほっと息をついた。

 マオは……、カッコイイよね。いつもは怖い顔だけど。

 でもわたしは、その顔がほわって笑みを浮かべるところを知っている。

 思い出すと、ドキドキして、あったかい気持ちになれる、わたしの「好き」な笑顔。

 ほほ笑んで、優しく、頭をなでてくれたこともあった。あれも、大事な思い出。

 ……あれ? じゃあ、やっぱりわたし、マオのことも「好き」なの?

 わたしって、もしかして浮気性!?

 ガーンッと「浮気」って言葉にうちのめされる。



「なにやらお悩みのようだね」

「えっ!?」



 見ると、ドアが開いていて、そこからひょっこりとメルダさんが顔を出していた。




「いやー、何度ノックしても返事がないから、心配になっちゃって。
のぞいてみて、寝てたら、そっとドアを閉めようと思ってたんだけど」

「ごめん、気づかなかった!」
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