【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
 二週間か……。

 その間に仕事休みはあったけれど、
 わたしはずっとこのマンションで過ごしていた。

 たまに、大通りにある広間から、いろんなニュースが聞こえる。

 公示人(こうじにん)って人が、
 字が読めない人のためにいろんなことを大声で教えてくれるのだ。



『窃盗被害 盗賊団 暁(あかつき)の刃(やいば)のしわざか?』

『エレオノーラ王女 行方不明からいまだ消息つかめず』

『押し入り強盗逮捕 住民に安堵広がる』



 とかね。

 だから、最新のニュースには困らなかった。

 みんな、わたしが外に出ないことの理由は聞かないでいてくれた。

 そう。

 わたしがどこから来たのとか、今まで何をしていたかも、みんなは聞かない。



「……どうした?」

「その、なんで、みんなわたしを受け入れてくれるのかな? 
こんな、どこのだれとも分かんないアヤシイ女なのに」
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