【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~

 明日、筋肉痛になりそう……と、考えていると、
 ひゅんっと右足に何かひっかかった感覚。



「きゃああああ!?」



 なになに、ナニゴト!?

 ぐいいいっと足を持ち上げられ、わたしは木にひっかけてあったロープでもって、
 逆さの状態で宙づりになった。



「エート! くそっ、ワナがしかけられてたのか」

「ヴァン、わたしにかまわず、先へ行って!」

「分かった!」



 ヴァンが再び走りだす。

 その間、わたしは足にからんだロープを手で外そうとしたのだが、
 なかなか外れない。

 というか、逆さのせいで頭に血が登ってきたよ!

 どうにかして、ロープを切らないと……!

 そうだ!




「エートの名において、願う。友よ、キヨコよ、あらわれたまえ」



 わたしの頭の下に、
 帽子をかぶったマーメイドの紋章を組み込んだ魔法陣が浮かび上がった。
< 154 / 303 >

この作品をシェア

pagetop