【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
 
 そこから、マーメイドのキヨコが出てきた。

 キヨコは水場ではないと気づき、すぐに魔法で魚から人間の足になる。



「あらあら、エートちゃん、どうしたの? 
そんな逆さづりになっちゃって」



 何かの練習? とキヨコは首をかしげた。

 そんなわけないじゃん、もーっ!



「キヨコ、お願い。このロープを切って」

「分かったわ」



 キヨコは空中に水の矢を出すと、その矢をロープに向けて発射した。

 ブチン!

 ロープが切れて、落ちたわたしはキヨコに抱きとめられた。

 よ、よかった。

 無防備なまま、頭から落ちたらどうしようかと思った。
 
 それにしても、さすがモンスター。

 落ちてきたわたしを受け止めるなんて、力があるなぁ。



「ありがとう、キヨコ」

「どういたしまして」



 キヨコに今の状況を軽く説明して、一緒に走り出す。
< 155 / 303 >

この作品をシェア

pagetop