【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
心臓の鼓動と一緒に、ズキン、ズキンと痛みが広がる。
ヴァンはしゃがみこんだまま、わたしに背を向けた。
「ほれ、乗れ」
「へ?」
「おぶっていってやるよ」
「い、いいよ! ドアを出せば、マンションまですぐだし!」
「遠慮すんなって」
うう、背負われるなんて。
恋心を自覚してから、こんなにヴァンにひっつくのは初めてだよ!
わたしがヴァンにおぶさろうとした瞬間……。
「あらぁ、管理人さんじゃない。
この前は真珠のネックレス補償、ありがとうねー」
のほほんと声をかけてきたのは、木属性の人型モンスターの女性、ドリアード。
すると、しゃがんていたヴァンが、すっと立ち上がった。
え? なんで?
「ちょうどよかった。コイツの足、治してくれないか?」
ドリアードに話しかけるヴァン。