【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~

 ドリアードはうんうんとうなずいている。



「じゃ、帰るか」



ヴァンがマンションにつながるドアを出したところで……。



「管理人さん、足、痛みはないけど、すっごく疲れてるでしょ? 
ごめんなさいねぇ。わたしの回復呪文、
痛みはとれても、疲れまではとれないのよ」



 そんなことを言うドリアードに、きょとんとする。

 え? 疲れ? まったくないよ。むしろ、いやされたんだけど……。



「そうなのか? 
魔法のウデみがいとけよ! ほら、エート、おぶされ」



 ヴァンがふたたびしゃがみこんでくれた。

 えっ、えっ。

 ドリアードとキヨコを見る。

 ドリアードは口元に人差し指を立てたナイショのポーズをしてて、
 キヨコはひれのある人差し指と親指で、丸のジェスチャーをしてた。
 
 わー、わたしの恋心って、バレバレなの!?

 うれしいけど、恥ずかしい~!

 でも、ありがとー、ふたりとも!

 わたしはふたりにペコっとおじぎすると、
 遠慮なくヴァンの背中に抱きついたのだった。
< 161 / 303 >

この作品をシェア

pagetop