【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
ドリアードはうんうんとうなずいている。
「じゃ、帰るか」
ヴァンがマンションにつながるドアを出したところで……。
「管理人さん、足、痛みはないけど、すっごく疲れてるでしょ?
ごめんなさいねぇ。わたしの回復呪文、
痛みはとれても、疲れまではとれないのよ」
そんなことを言うドリアードに、きょとんとする。
え? 疲れ? まったくないよ。むしろ、いやされたんだけど……。
「そうなのか?
魔法のウデみがいとけよ! ほら、エート、おぶされ」
ヴァンがふたたびしゃがみこんでくれた。
えっ、えっ。
ドリアードとキヨコを見る。
ドリアードは口元に人差し指を立てたナイショのポーズをしてて、
キヨコはひれのある人差し指と親指で、丸のジェスチャーをしてた。
わー、わたしの恋心って、バレバレなの!?
うれしいけど、恥ずかしい~!
でも、ありがとー、ふたりとも!
わたしはふたりにペコっとおじぎすると、
遠慮なくヴァンの背中に抱きついたのだった。