【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
12.ヴァンのヒミツ
今夜は管理人のお仕事はお休み。
ってことで、わたしはマオにリンゴの皮むきを教えてもらっている。
へへ、料理するの、ずっとあこがれてたんだよね。
でも、包丁ってこわい……。
思い切って、実に刃を入れられないよ。
そのまま、スパーンッと自分の手を切っちゃいそう。
「ほら、こうやって……」
マオは後ろからわたしにおおいかぶさるようにして、手をとって指導してくれる。
やっぱり、距離感が近いなあ。
ちょっとドキドキ、ソワソワするよ!
でも! わたしの心にはヴァンがいるもんね!
このリンゴがむけたら、ヴァンに食べてもらうんだ。
なんか、こ、恋人みたいじゃない? なんてね!
「よし、じゃあ、ひとりでやってみろ」
と、マオがわたしからはなれようとした瞬間。
「む」
「痛っ」