【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~



 ピン、と髪の毛がひっぱられる感覚。



「悪い、エート。服におまえの髪飾りがひっかかった」



 ああ、なるほど。



「とるから、ちょっと待ってくれ」



 うしろでマオがなにやらもぞもぞとしているのがわかる。

 でも、なかなかとれないみたい。

 そこに、ガチャリと台所のドアが開く音。



「……なにやってんだ?」



 そこにいたのはヴァン。

 まあ、見ようによっては、マオがわたしを抱きしめている状態だもんね。

 台所でそんなことしたら、だれだってそう言うよ。

 でも、なんだか……、ヴァンの機嫌、悪いような?



「ああ、ヴァンちょうどよかった。この髪飾りが服にひっかかってな」

「……ふーん」



  ……? どうしたんだろう、ヴァン。

 マオの言葉に対するリアクションが、冷たい気がする。
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