【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~

 そう、ヴァンが、わたしの、ゆ、指を……。

 くわえてる~!

 ななな、何!?
 
 ばっくんばっくんと心臓が鳴る中、
 わたしはヴァンから目が離せない。

 ヴァンは、わたしの指をくわえたまま、上目遣いでわたしの顔を見た。

 その顔は、なんていうか、とっても幸せそうで……。

 ほほが赤くなって、瞳もとろけている。

 だから、あの、い、色っぽいって言葉がぴったりで……。

 こ、こんな表情、他の人に見せられないっ!

 石のように固まるわたしだったけど、あることに気づいた。

 ヴァンの青い瞳が、金色になっていく。

 短い髪からのぞく耳も、だんだんと長く、先がとがっていって……。

 これって、魔王と、同じ特徴じゃ……。

 ……ううん、そんなこと、気にならない。

 このまま、ずっとこうしていたい。

 そうだ、この身の血をすべて、この方にささげたい……。
< 167 / 303 >

この作品をシェア

pagetop