【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
ヴァンがはっとしたような顔になる。
「だから、今やるべきことは『戦闘の条件付け』なんだ。
『エートの手に口づけて、その血を飲む』ということを、
『理性をもって魔王化し、戦闘する』という『条件』ということにする。
それを、おまえの本能にすりこませれば、うまくいくと思うぞ」
話を聞いているうちに、わたしもなんとなくわかった気がする。
要は、決められた動作をすることで、
「今からこれをやるんだぞー」ってスイッチを入れるってことでしょ?
ルーティンっていうんだっけ。
こうすると、集中力があがって、
うまくいきやすいって話、どこかで聞いたことあるもん。
「……わかった。よっしゃ、エート。さっそくやってみるぞ」
「あ、うん!」
……うん? 元気よく返事をしたのはいいものの。
今からヴァンに手の甲にちゅーされるんだよね。