【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
 せめて手のひらサイズのトカゲちゃんならともかく……。

 まずい、こんなこと考えてる場合じゃない!

 わたしは突進してきたサラマンダーを必死になってよけた。

 すると、後ろでドボンという音。

 見ると、溶岩の海にサラマンダーが落ちていた。

 こ、こんな近くに溶岩があったんだ……。

 サラマンダーは溶岩の海をそのまますいすいと泳いで逃げていってしまった。

 うわー、熱くないんだ。さすがモンスター……。



「何やってんだ、しっかりしろよ!」



 ヴァンが怒りの形相でこちらに向かってきた。

 ひい、これもよけられるなら、よけたいくらいに怖い。



「おまえ、武術も魔法も使えないのか? 職業は? レベルは?」



 うっ、ここでそれを聞いてくるか。

 ものすごーく、言いにくいぞ。

 もじもじとしていると、早くしゃべれよコラとばかりにヴァンがにらんできた。
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