【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
まるで、大切な宝物みたいにあつかわれて、胸が高鳴る。
「怖くないよ。
だって、ヴァンだもん。絶対うまくいくって、わたし、信じてる」
思ったことを正直に口に出すと、
ヴァンは「そっか」と、顔をくしゃっとさせて笑った。
ヴァンの両手に包まれた手。ヴァンは、わたしの手を口元にもっていき……。
ちゅ。
と、やさしくキスをおとした。
そのまま、ちろり、と舌で皮膚をなめられる感覚。
どく、どくと心臓の音がうるさい。
ヴァンのキレイな金髪の頭でさえぎられて、わたしの左手は見えない。
いつ牙をつきたてられるか、わからないっていうドキドキもあるけど……。
好きな人が――ヴァンが、わたしのために頑張って本性のコントロールをしてくれてる。
それが、一番のドキドキする理由。
「……っ!」
ぐっと牙を突き立てられ、痛みが生じる。