【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~

 それから、流れ出る血をぺろりとなめられた。



「ヴァン、大丈夫……?」



 ぱっと、ヴァンが顔を上げた。



「ん~、だい、じょうぶ」



 舌ったらずな返事を返す、その顔はふにゃりとしていた。

 吸い込まれそうな青い瞳が、徐々に美しい金の瞳に変化していく。



「おまえの、血、やっぱりおいしーな」



 ……なんか、幼くなってない? 

 「うまい」じゃなくて、「おいしー」?

 ふわあ、なんか、ぽやぽやしててカワイイ。

 って、これ、わたし魅了魔法かけられてないよね?

 いや、魅了魔法にかかってたら、そんなことも考えられないか。
 
 ヴァンはしばらくむにゃむにゃと口の中に残っている血を味わっているみたいだった。
 
 それを、ごくり、と飲みこむ。

 と同時に、ヴァンの瞳が完全に金色に染まり、はっとした顔になる。



「……エート」

「はいっ!?」
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