【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~



 低い声で呼ばれて、思わず姿勢を正す。



「さっきまでの、だらしないおれのこと、忘れてくれ……」



 ヴァンはばっと両手で顔をおおった。

 でも、長い耳の先まで、赤く染まってる。

 これは……、さっきまでのこと、覚えてたんだ!



「やったじゃん、ヴァン! コントロール、成功したよ!」

「だ~っ! 
そうなんだけど、そうじゃねえ! 
あ~、クソ恥ずかしいもん見せちまった!」



 しゃがんだまま、
 ヴァンは「あああ、なんでマオ、蹴りを入れなかったんだよ!」と叫んだ。



「少し血に酔っただけだろう? 
コントロール自体は、成功してたからな」



 さらっと言ってのけたマオに、ヴァンは納得がいかないみたいで、
 ぶちぶちと文句を言い出した。



「それでも、あんな恥のかたまりみたいな姿……! 
 蹴り入れられた方がマシだっての」
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