【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~



「あ~、やめだ、やめ! 変身はおれに向いてない!」



 ぼふんと煙が立ち、ヴァンは人間の姿になった。

 あ~、もふもふが……。触っておけばよかった。



「じゃあ、次。念力」



 さっきみたいに、マオが手をたたく。

 念力って、手を使わずにものを動かすって技だよね!?

 ヴァンパイアって、そんなこともできるんだ……!



「無理、やだ、しない」



 ヴァンはすねたこどもみたいに、マオからぷいっと顔をそむけた。



「そんなこと言わず、エートに見せてやれ」



 マオがどこからか取り出したのは……、金属製のスプーン。

 スプーンの柄を持ち、マオはずい、とヴァンにつきつけた。

 ヴァンが、じいっとスプーンを見つめる。

 ……。

 …………。

 ………………?



「だーっ、やってられるかー!!」

「きゃっ!」
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