【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
マオは、わたしが話し出すのを待っていてくれていた。
「あの、ね。わたし……」
そこで、いったん言葉を切る。
なかなか次の言葉が言い出せない。
マオは黙って、待っている。
「わたし、管理人、やめたいの」
なんとか声をしぼりだした。
「……そうか」
マオは静かに言った。
驚くこともなく、いつも通り、冷静沈着に。
「どうしてか、聞いてもいいか?」
「……やっぱり、
わたしには管理人の仕事は、たいへんすぎて……」
そう、管理人の仕事はたいへんだ。
掃除する場所は、ものすごく広いし。
人間とはまったく常識の違う、モンスターたちの苦情や、困りごとを聞いてあげて。
トラブルがない日はないってくらいで、ダンジョンをかけめぐって……。
「だから、もう、無理かなって。思ったの」
「……嫌になった、というわけか」