【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~



 マオが優しく問いかける。



「嫌じゃ、ない」



 そう言った瞬間、もう、涙が止まらなくなった。



「嫌なわけ、ないじゃん! 
でも、だめなの。やめないといけないの。
じゃないと……」



 言いかけて、はっとする。

 危ない、わたし、ヒミツを言いかけてしまった。

 が、マオはふむ、とうなずいた。



「そうだな。
おれも今日の広場での知らせには驚いた。
……だから、おまえがここにやってくるんじゃないかと思っていたんだ」



 え?



「マオ、どういうこと?」



 マオにハンカチを差し出され、
 涙をぬぐいながら、わたしは問いかけた。



「最初におまえが来たときから、引っかかっていたことがあるんだ。
おまえは、このマンションに初めて入る時、ノックをきっちり四回したな」



 そうだよ。だって、初めての場に入る時の、基本じゃん。
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